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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート

「課長……」
ソラ先輩が飲み物を取りに行った後、課長が側にやって来て声を掛けてくる。
バスタオルで体を隠しているといっても、首元や肩、脚は露わになっているから何となく恥ずかしい。
服を着ている時のように隠したいけどまだ頭がぼんやりとしていて体も重たいから視線を向けるだけにした。
「なんともなくてよかった。塑羅緒くんだけじゃなく、瀬戸内くんや那砂さんも心配していたんだぞ」
どのくらいの間、気を失っていたのか分からないけど、ソラ先輩や課長がまだ腰にタオルを巻いていたということはあまり時間は経っていなかったんだと思う。
服を着ていない課長の上半身は久しぶりに見たから少し異性として意識してしまう。今はそこに恋愛感情というものはないけれど。
「心配掛けちゃいましたね……。すみません」
「乙羽は会社でもそうだよな。だが、ドジなところも可愛いと思ってる」
横になっている私に触れようと課長がゆっくりと手を伸ばしてくる。
でもこれ以上は近づいていけないと分かっているのかその手は途中で止まり、引っ込めてから課長は寂しそうに微笑んできた。
「あの……、課長は…ワニなんですか……?」

