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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート



課長は忘れることがまだできていないようだけど、私にとってそれは過去のこと。


ソラ先輩がいなくなってしまったと泣いていた時と今は違う。


股間がタオルで隠しているのを横目で確認してから私は課長の方に顔を向けてニッと笑って見せた。



「見せませんよ。私の体も彼氏のものですから」


「タオル一枚の無防備でいるというのによく言うな。でも塑羅緒くんのことがそれほど好きってことか……」


「はい。大好きです」



「…………」


迷いなく答えた後、腕を組んで立ってこちらを見ている那砂さんの姿が視界の隅にチラッと映る。


温泉に入ってきた時はふざけている様子だったのに、なぜなのか向けてきた視線は真剣なものだった。


でも何か用事があったのか、こちらに近づいて来ないで脱衣所の方へ入っていく。


那砂さんが何を思っているのかは分からない。だけど、私と課長の関係を見張っているような気がした。


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