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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート

「それほど好きになってもらえて塑羅緒くんは幸せなんだろうな」
「逆ですよ。それ以上に私が彼氏に好きでいてもらえて幸せなんです」
「塑羅緒くんを越える難しいということか。温泉は気持ちいいが普段言えないことまで言えてしまうから怖いところだ。……それでも好きなんだが」
「課長……」
「――――風子、飲み物を持ってきたよ」
脱衣所の扉が閉まった後、またすぐに開いて私が待っていたソラ先輩がやってくる。
どうやら腰にタオルを巻いたままでなく、きちんと服を着てから車へ行ってきたようだった。
「ありがとうございます。ソラ先輩」
ソラ先輩から水が入ったペットボトルを受け取ってからバスタオルがずれ落ちないように支えて起き上がる。
課長は私たちに気を使ってくれたのか、立ち上がって脱衣所の方へ向かっていった。
静かに話していたからソラ先輩には聞かれていないと思う。だけど、もし、聞かれていたとしたらどう思うんだろう。
私がどれだけ惚れているのか、分かってもらえるのかな……。

