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愛おしいキミに極甘な林檎を
第64章 番外編:危険な逆ハーデート



本当にいないよね……。

いつどこに現れるか分からないから疑って周囲をぐるりと見渡してみる。


とりあえず足音も人影もいない。警戒しつつも急いで着替えて脱衣所から出てソラ先輩がいる方へ向かった。


「ソラ先輩、お待たせしました。次のところに行きましょ……」


ひとりで待っているのかと思いきや、いつの間にか私の知り合いの男性陣が勢揃いしていて信じられなくてパチパチと大きく瞬きをする。


課長と理人さん、那砂さんはまだいても驚かないけど、どうして颯太までここにやってきたのか……。


「久しぶりだな。風呂に入って気絶したとかまたドジなことをしてるんだな。体は大丈夫か?」

「颯太…さん、どうも。大丈夫です……」


「風子ちゃんったら、なんでいるのって顔してるわね。颯太くんは恥ずかしがり屋だからみんなと温泉に入るのは嫌みたいで車の中でずっと待っていたのよ」


「そうでしたか。えっと、私とソラ先輩はこれから出かけるので……」

「やだー。そんなに冷たいことを言わないでよー!那砂たちも風子ちゃんと彼氏くんの日帰り旅行について行くから~」


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