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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus


それから一時間も経たないくらいに郁哉さんが職場に戻ってきたけど、本当に会議に行っていたのかは謎に包まれたままだった。

しかも、また話す機会もなく仕事が終わってしまう。


不安だけを残されて時間だけが進んでいく。


いくら考えても何も解決しないまま、モヤモヤした時が続いて嫌になる。だけど、悩んで立ち止まっている暇はない。



定時で仕事を終えてさっさと会社を出た私は美容室に向かった。


そこに着いてから美容師に伸びた髪を染めて、少しだけ切って綺麗に整えてもらう。


もうすぐ楽しみにしている結婚式を迎えるから、鏡に映った自分の髪型や髪色をいつも以上に気にしていた。


「このくらいだとアップにしやすいですかね?」

「はい。イイ感じになると思います。カラーも綺麗に染まりましたよ」

「ありがとうござます」


三面鏡で見せてくれた美容師はこの店でも腕がいいと評判で私の希望通りに仕上げてくれた。


「結婚式の時の髪型はアップになされるんですよね?」


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