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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

その人物は仕事帰りにここに寄ったのかスーツ姿だった。
でもどうしてこのお店の商品を見ているんだろうと不思議に思ってしまう。寧ろ少し引いてしまった。
「あっ、風子さん……」
相手もこの状況を見られたくなかったのかどこか気まずそうな表情をしている。
手に持っていた商品を急いで棚に戻していたけど、何を見ていたのか既に私にばれていた。
「理人さん、こんばんは。……なんでここにいるんですか?また私を見張っているんですか?」
「まだその冗談を言いますか。もう風子さんを見張ったりなんかしていませんよ。
今では千十郎様も風子さんが塑羅緒さんと結婚されることを楽しみになされていますし」
「そうなんですか」
あの頑固そうなおじいちゃんが今ではすっかり丸くなったものだ。
「でもプライベートでこのお店を見に来てるって驚きなんですけど……」

