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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus

大人になってからの“友達”という存在としては郁哉さんもいるけれど。
私のせいで仲が悪くなり兼ねないからせめて理人さんとは仲良しでいて欲しい。
もちろん、本人同士の問題だから私がむやみやたらに脚を踏み入れていい話ではないけれど、ソラ先輩を支えてくれる人が私以外にも必要だと思う。
「僕がいなくても風子さんがいるじゃないですか。あの人は風子さんにしか心を開いてませんよ」
「理人さんにも少しは開いてますよ。見ていれば分かります」
そう言ってみると理人さんは控えめに鼻で笑った。
「前よりは親しくなれているんでしょうかね。……でもよかったですね」
「なにがですか?」
急に話題を変えてくるから私は首を傾げて聞いてみる。
「……結婚相手の家がお金持ちでってことですよ。祖父は大手企業の社長、父は医者で母は弁護士。裕福なご家庭でしょうから嫁に行っても苦労しないでしょうね。
塑羅緒さんもそこそこ稼いでいるでしょうし、風子さんは目を付けるところがよろしいようで」

