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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus
返事をしてくれたけど、郁也さんの声が不機嫌そうに聞こえた。
前に立っているからどんな表情をしているか分からない。
私は事実を言っただけだ。だから、私の気にしすぎだろう。
そう思って、周囲に人がいないか確認しながら休憩室へと向かった。
運良く誰にも会わず無事に着いた。
休憩室に入ってから郁也さんがドアを閉める。
「見守ってくれてありがとうございます。
課長に頼み事をして申し訳ありませんが、裁縫セットを持ってきていただけますか?
破れたところを縫いたいんです」
「…………」
「あの……、課長……。私の話、聞いてます……?」
郁也さんは眉間にシワを寄せて私を見下ろしてくる。
不安な表情で見ていると郁也さんが距離を縮めてきた。
ヒールを脱いで畳に上がり、後ろに下がる。
その時に足を滑らせて尻もちをついてしまった。
傷んだ腰を撫でている暇もなく、郁也さんが両腕を抑えてくる。
「きゃっ!?」

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