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愛おしいキミに極甘な林檎を
第65章 番外編:Totus tuus
まるで押し倒されているみたいだ。
腕を掴む力が強くて逃げようとしても逃げられない。
「やっ、やめてください……。
誰かに見られたら大変なことになりますけど、いいんですか?」
「見られないから安心しろ。
鍵を掛けたから誰も入ってこれない」
「うっ……」
眉間にシワを寄せた私は、郁也さんと目を合わせないように視線を逸らした。
「乙羽はオレのことを好きじゃなくても誘惑してくるんだな」
「どこがですか。誘惑なんてしてません」
「そんな姿を見せられたら勘違いしてしまう」
「偶然、スカートが破れてしまっただけです。
見せたくて見せているわけじゃありませんから。……というか離してください」
「こうでもしないと都合が悪い時に逃げるだろう」
「仕事ではきちんと向き合っているじゃないですか」
郁也さんの顔をちらっと見ると、眉を下げて寂しそうな瞳をしていた。
「前より冷たくなったな。
それに、オレのことを名前で呼んでくれなくなった」
「課長のことをなんて呼んだらいいのか分からなくなってしまいまして……。もう、男女の仲じゃないですし」
「……オレはいつまで経っても忘れられない」

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