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明日に架ける橋
第4章 明日に架ける橋
「晴彦さんが・・・養護施設で・・・・?」
「今はボランティアとしてだけど、資格を取って、正式に働けるように頑張ってるようだよ」
「あの・・・・。晴彦さん、大丈夫でしょうか・・・・?」

今までまともな職についたこともなく、ぬくぬくとした生活を送ってきた晴彦にとって、
児童養護施設とはかなりハードルが高い気がしてならなかった。

「さぁ、どうだろうね。俺は彼のことを良くしらないから。でも、同じような状況で
俺の父と一緒に働き始めた人がすっかり更正して、今じゃ一番の戦力になってる。
俺の父は、そういう力というか・・・・
人の心を開くことがうまいんだ。根気強いし、情愛の深い人なんだよ。父自身複雑な家庭環境で育ったんだけど、とても逞しい人なんだ」

清人は実の父の話をとても和やかな表情で話した。
父のことがとても好きで、尊敬していることが伝わってくる。

「俺のこともすごく気にかけてくれて・・・・。何度も一緒に暮らそうって言われたけど、
断った。
俺は一応大河の人間として育てられてきたし、大河の父にも・・・あんな人間だけど、育ててもらった恩義を感じてるから。何より、母親のことを思ったね。母は今でも実の父のことが忘れられないんだ。
でも、だからといってどうするわけでもない。波風たたないよう生きていくしかない。
それなのに俺が実の父と暮らすわけにはいかないだろ」

話を聞きながら、清人は花憐が思った以上に様々な思いの中で生きてきたのだと、清人の人生がとても複雑だったことを自分のことのように感じた。
そしてお互いが、’家族’というものに対して渇望しているということも。

「お母様も、大河のお父様も、実のお父様も・・・・。清人さんをとても愛してくださって
いたのでしょうね」
「・・・・どうしてそう思う?」
「そうでなければ、清人さんはもっと酷い人になってたと思います」
「そう?じゅうぶん酷いこともしてきたけど。決して立派な人間とはいえない」
「いいえ・・・・。清人さんはとても立派な方だと思います。家族のみなさんのことも、
本当は良く考えて行動してる。自然を愛しているし、子供たちにも優しい。
そして・・・・私にも」
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