この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
私の欠けているところ
第10章 逃げ回る時を追いかけたんだけど

それから時は
ベッドの上で
枕にもたれかかったまま
少しずつ
お粥を口に運んだ


よほど具合が悪いんだろう

時は
数日前に
俺を梶谷くん
と呼んだ時と違って
甲斐甲斐しく
時の世話をする俺を
黙って受け入れていた


「ご馳走さま…」


「もういいのか?」


「もう、お腹いっぱい」


小さなお茶碗によそったお粥を
半分ほど食べると
時は
そう言って手を合わせた


こんだけしか
食えないのか…

元々貧血ぎみなんだから
そりゃ倒れるよな


時が飲んでる薬は
貧血の薬みたいで
病気ではなさそうだった


「こんなんで
よく仕事行ってたな」


「忙しくて…」


「明日は休めよ?」


「……」


「無理だって」


「でも…」


「そんなんじゃ
会社に着く前に
電車の中で倒れるぞ?
それともタクシーで行くつもりか?」


時は
黙ったまま首を振った


給料日まで
あと一週間

まぁ給料出たとしても
アイツが巻き上げに
来るんだろうけど


「あの…」


「ん?」


「ごめんなさい」


時計を見た時は
もうすでに
終電の時間を過ぎていることに
気づいたんだろう

ちょっと
困った顔をしていた


「いいよ
駅の近くで
ホテルでも探すから」


「……」


ここに泊まってもいいと
言わない時は
俺が
泊まらせてくれと
お願いしたら
どうするんだろう


断れない性格の時は



どうするんだろう



泊まらせてくれなんて


言えないけどさ…
/237ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ