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私の欠けているところ
第4章 俺のついた『嘘』のおかげだったんだけど
「…うん…わかってる

ありがと

梶谷くん」




「ううん。

あのさ、時ちゃん」




「なに?」



「何か…必要な物ある?
俺、届けてもいいよ。
食料調達しようか?」



「ありがと。

でも大丈夫。

今は、大丈夫」



「じゃあ…
寂しくない?
寂しいなら俺

会いにいくけど」



「梶谷くん…」


「ん?」


「また…
寂しくなったら
LINEしてもいい?」


そうか

わかってるよ

それは
『来ないで』
という意味だ


「いいよ。
電話でもLINEでも
なんでも。

会いに来て!
ってゆーのもアリ」


「クスッ
ありがと
元気でた」


「よかった。

ねぇ
時ちゃん」


「何?」




「俺が病気したら


時ちゃん

看病しに
来てくれる?」






「行くよ」





「…ほんとに?」




「友達じゃない」






「…よかった…

けど安心して」



「ん?」



「俺すげー健康で
病気あんましないから」



「もう(笑)」




電話越しの
時ちゃんの「行くよ」
という声を
俺は今でも忘れていない


結局
俺が病気することなんて
ほんとなくて

時ちゃんが
血相変えて部屋にやってきて
お粥を作ってくれるなんて
夢のようなことは
起きてないんだけど

それからの俺は
その一言を励みに頑張ってたんだ


新しい場所での生活も

異動したばかりの仕事も

振り向いてもらえない
恋も…

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