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休憩と微睡み(くすくす姫ピックアップ御礼)
第2章 微睡み
「ああ…凄ぇ甘ぇな」
「…あ、だめっ…ね、クロウさん、お茶淹れ替えたら、戻って来るってっ」
「大丈夫だ」
姫が喋って居るのにも関わらず、ちゅっちゅっと音を立てて唇の端や頬を啄んだサクナは、上機嫌で嘯きました。

「お前は、何も気にすんな。…目ぇ瞑ってろ」
「うん…っ…んっ…」
姫が素直に目を閉じるとまぶたにひとつ口づけが落とされました。それから悪戯好きな唇は耳を嬲り、首筋を滑り、胸元をくすぐって鎖骨の窪みを軽く吸い上げて、微かに笑った気配を残して、姫の肌から一旦離れて行きました。

(…この椅子の上が、世界の全部みたい…)
体の奥がきゅっと切なくなった姫が手探りでサクナの首に手を回して抱き付くと、また唇に口付けられて、そのまま髪を撫でられました。
(ん…これ、好き…気持ちい…っあ…中から溶けちゃう…)
濡れた水音と低く漏れる自分の甘い声だけが、耳に響きます。触って欲しいと思った所に余す所無く触れられて、姫は蜂蜜のような快感に溺れそうになりました。
…すると、

「ひゃっ!?」
「っ!!」

心地良さで酔っ払った様になっていた姫の耳に、ばたん!と扉が開いて、ばんっ!と閉まった音が、突然飛び込んできました。

「いまのなにっ!?」
「…何でも無え。気にすんな」
サクナはこの上なく不機嫌そうに言うと、姫の頬を撫でました。

「え、でも、気になる…っあ!…や、あ…はっ…」
片手で目隠しされ、片手で体を撫でられ、耳元を舌と唇で擽られて、先程の驚きで固まっていた姫の体は、また蕩けるように長椅子に崩れました。
「…ふ…」
すっかり上気してとろんとした顔になった姫の上に、ぱさっと上掛けが掛けられました。
「これ被って、横になっとけ。すぐ戻る」
「…ぅ…ん…」
ぼうっと返事をしながら、姫は言われた通り上掛けが自分に掛かるように、もぞもぞと引っ張り上げました。

(…さっきの、何だったのかしら…クロウさんは、あんなに乱暴に扉を閉めたりしないわよね…?)
ふと、上掛けと自分から、ほんのりサクナの残り香が香りました。スグリ姫は、抱き締められている様な気がしてほっとして、やがてうとうとし始めました。

(…また、眠たくなっちゃった…仕方ないわよね、昨日あんまり寝られなかったんだもの…)
こうしてスグリ姫は誰かに揺り起こされるまで、短い微睡みに落ちて行ったのでありました。
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