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第1章 ワガママお嬢様

桐生家のご主人様と奥様の海外移住が決まった時、俺と涼太は旦那様のプライベートルームに呼ばれた。

「おぉ、来たか…」

「旦那様、何か御用でしょうか」

「うむ…2人にお願いしたい事があってな…」

「はい、何なりとお申し付けください」

「実は愛羅の事なんだが…」

俺たち2人は思わず顔を見合わせた。

「お嬢様の…事ですか？」

「そうだ…。お前達も分かってると思うが、愛羅のワガママは酷すぎる。小さい頃はあんな感じではなかったんだが…私や妻が仕事上忙し過ぎてあまり構ってやれなくてな…あんな性格になったのも私のせいなのだ…。」

俺たちは静かに旦那様の話に耳を傾けた。