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金曜日
第22章 展示会で思わぬ事態



プープープーと内線電話が鳴る



上野先輩がはいはいと答えて



「佐藤ちゃん、コーヒー落としてー!」



朝からバタバタの社内で事務をこなしながら、展示会場にコーヒーを落として届ける


「いらっしゃいませ!」



今のところ小口の商店主さんばかりが来店されているだけで、目立って大手の来店はない


「クシュン、クシュン、クシュン!」



展示会場の給湯室でデザイン課の佐伯さんがくしゃみを連発している


「佐伯さん、大丈夫?」



佐伯さんも私と同期の四大卒なので気心が知れている仲



「大丈夫じゃない!秋の花粉症ー!」



「やだー、こんな日に薬飲んだ?」



「飲んでるけど、外から人が入って来るたびに、くしゃみ止まんなーい!クシュン、クシュン、クシュン!」



「私、持っていこうか?」



「お願いできる?クシュン、クシュン、クシュン!」



「どこ?出してないとこ」



給湯室から会場を覗いて指を指してくれた



「りょーかい!」



カップ&ソーサーにコーヒーを入れて、お菓子のお皿を持ち持っていく


「お待たせ致しました!」



「おっ、佐藤さん!いつもお世話になっとるねー!電話の対応もしっかりしてきて、大城君はいらんくらいだよ!わはははっ!」


「相田社長、いつもありがとうございます!」



『えっ、なに、俺いらないっすか?(笑)』



「佐藤さんが受注の時に売れ筋とかも情報くれるからね!大城君はいらんな!わはははっ!」


「いえいえ、その情報も大城さんから頂いているものですので(笑)」


「たまには女の子も同伴して営業に来てくれると、枚数増量しちゃうのになーわはははっ!」


『マジっすか?連れて行きます!』



「ちょっ、ちょっと!大城さん!」



『課長に報告して、お願いしよーっと!(笑)』



「おー、いいねー、佐藤さん待ってるよ!わはははっ!」



「もう、相田社長ー!私は事務員なのでー、、、」



「いいじゃないか、たまには、息抜きにおいでよ、本当に待ってるよ(笑)」


相田社長にニッコリ微笑まれて、ドキドキしちゃう



「し、失礼します!」



ペコリとお辞儀をし、その場を離れる



もう、本気なんだろうか?私は事務員だってばー!



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