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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第2章 焔の花の中で~邂逅~
泣き出したいのを堪えて言えば、スンも笑顔で言った。
「俺と妻は従姉弟同士なんだ。妻は母の姪に当たる人でね。だから幼いときから顔見知りだし、あまり妻という感覚はない。俺は母にも妻にもいまだに頭が上がらないし、母は俺たち夫婦を見て〝厳しい姉と出来の悪い弟のようだ〟とよく言っているよ」
止めて、と叫びたかった。そんなに嬉しそうに愉しそうに奥方や家庭の話をしないで欲しい。心は泣いていたけれど、オクチョンは涙の塊を飲み下し、微笑んだ。
「俺と妻は従姉弟同士なんだ。妻は母の姪に当たる人でね。だから幼いときから顔見知りだし、あまり妻という感覚はない。俺は母にも妻にもいまだに頭が上がらないし、母は俺たち夫婦を見て〝厳しい姉と出来の悪い弟のようだ〟とよく言っているよ」
止めて、と叫びたかった。そんなに嬉しそうに愉しそうに奥方や家庭の話をしないで欲しい。心は泣いていたけれど、オクチョンは涙の塊を飲み下し、微笑んだ。