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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第3章 愛する男の正体~再会~
廊下を拭いていた手をしばし止め、物想いに耽っていたオクチョンはハッと我に返った。庭沿いの壁にはめ込まれた大きな障子窓に、羽ばたく鳥の影が映じ、次いでバサバサっという大きな羽音が聞こえた。
あの一件―暑気当たりで倒れかけていたところを介抱して以来。大王大妃は何かとオクチョンを自室に招いては、お茶を淹れさせたり、話し相手をさせる。時には横になった大王大妃の足腰、肩を揉んだりして、この不遇な身の上の高貴な女性を歓ばせた。今やオクチョンが大王大妃の〝お気に入り〟であることは、この宮で知らぬ者はいない。
あの一件―暑気当たりで倒れかけていたところを介抱して以来。大王大妃は何かとオクチョンを自室に招いては、お茶を淹れさせたり、話し相手をさせる。時には横になった大王大妃の足腰、肩を揉んだりして、この不遇な身の上の高貴な女性を歓ばせた。今やオクチョンが大王大妃の〝お気に入り〟であることは、この宮で知らぬ者はいない。