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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第16章 西からの使者
 オクチョンは室内でウォルメからの短い書状に眼を通し、燭台の蝋燭にかざした。文は勢いよく小さな焔を上げながら燃え、やがて跡形もなく消えた。





 それをじいっと見守りながら、思ったのだ。ここまで来たからには、もう情けも良心の欠片もすべて棄てる。この文のように、あの女の存在を消して見せる、と。
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