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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第16章 西からの使者
 実家の母にいえば、〝はしたないことを言うものではありません〟と即座にたしなめられるだろうが、それは王妃の本心であった。






 嫁ぐ前、絵巻物を眺めつつ、乳母が男女の交わりや初めての閨事について曖昧な言葉で判りづらく説明してくれた。それが王妃の授けられた性知識のすべてだったのだ。
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