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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第16章 西からの使者
 まったく何も知らないのと同じであった。そんな王妃は人妻といっても、まだ女体も整わぬ子どもにすぎなかった。百官を前にしての盛大な嘉礼の夜、二人は新枕を交わしたものの、粛宗は夜具を並べて横になった王妃の手を握り、




―今日は長い一日だった。そなたも疲れたろう。ゆっくりと眠りなさい。





 と、優しく労ってくれた。
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