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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第18章 絶対の刃先
 粛宗は小首を傾げ、女官を見た。彼女はいつも中宮殿の扉前に立っている。たとえ女主人が不在でも、殿舎そのものは毎日、きちんと掃除がされ空気も入れ換えられている。






 それでも、王妃が暮らしていた頃のように活気というか生気がないのは、やはり無人になってしまったせいだろう。この若い女官は、中宮殿の留守居役の尚宮下で働く者だ。
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