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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
 薬は白磁の小さな器に入っていた。届けられたのは薬のみではない。もう一つ、似たような容器が小さな牡丹色の巾着に入っていた。




 その容器は螺鈿細工で牡丹の花とつがいの蝶が描かれている豪奢なものだ。蓋を開け取ると、艶やかな紅が入っていた。





―この紅をつけて、俺に会いにきて。
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