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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
スンの囁きが現実に聞こえてきたようで、オクチョンは一人で頬を上気させたものだ。
紅は、鮮やかな珊瑚色で、顔を近づけると甘い花のような芳香が鼻腔をくすぐった。
塗り薬はとても良く効くもので、膿を持っていた傷は数日で痛みも取れ、愕くことに傷跡も殆ど残らないほど綺麗に癒えた。さすがは王族だ、よほど高価な薬だったに違いない。
彼は惜しげもなく高価な薬を自分のために贈ってくれたのだ。今は彼の真心を信じるしかなかった。