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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
「国王殿下であらせられる。頭を下げよ」





 その場にいたのは、大王大妃お気に入りのオクチョンだけである。大妃は、宮殿内の移動さえ、大勢の伴を引き連れて仰々しく移動する。それに比べ、大王大妃はいつも多くて数人、大概は今日のようにオクチョンとコン尚宮だけを連れている。二人の立場だけでなく、元々の性格の差によるところも大きいに相違なかった。
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