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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第4章 月夜の銀花~契り~
「養母はいつも言っていた。王さまが他の女人を召された翌朝、王妃さまが一人で泣いていらっしゃるお姿を自分も胸が潰れる想いで見ていたとな」







 やがて、仁祖の死により、大王大妃は辛い片想いから解放されることになった。それでも、当時王妃だった彼女は仁祖の骸に取りすがり、いつまでも泣いていたという。仁祖にさんざん寵愛された側室たちは意外なほどに淡々として、亡骸に寄りつきもしなかった。
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