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炎の王妃~月明かりに染まる蝶~
第2章 焔の花の中で~邂逅~
「ありがとう、宝物にします」




 オクチョンは紅吊舟のノリゲを押し頂くと、堪え切れず大粒の涙をこぼした。




「参ったな、俺は今日、オクチョンを泣かせてばかりだ」



「ごめんな―さい」





 オクチョンが泣きながら眼尻に溜まった涙を人差し指で拭う。スンは傍らでそれを眩しげに見つめていた。
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