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第14章 相手がいない…



近所だと涼ちゃんにも私も嫌な気分で食事をしなくていいのが利点…。

その代わり…。


「相変わらず、涼ちゃんは理梨ちゃんにべったりなのね?」


お店の奥から出て来た女将さんに冷やかされる。


「理梨以外に興味がないんです。」


アッサリと答える涼ちゃんに私だけがアタフタとしてしまう。


「羨ましい…。」


女将さんがそう言ってマスターを睨みつける。


「次の試合は10月だっけ?」


マスターが慌てて話題を変えた。


「今年も勝てそう?」


女将さんも聞いて来る。


「勝ちますよ。」


涼ちゃんは穏やかな顔で答える。

私にもファンにも弱音を見せない。

1度、弱音を見せたら自分の気持ちで負けてしまうと会長さんが言っていた。

だけど…。

涼ちゃんの弱音はどこで出すの?

涼ちゃんが私にだけは本音を言えるようになって欲しいと思っちゃう。


「そろそろ帰ろう…。」


そう言う涼ちゃんとお店を出た。


「次も勝てるの?」

「当たり前だろ?」


やっぱり弱音は見せてくれない。


「自信過剰はダメなんじゃない?」


ちょっとは弱音を見たいと思う。


「自信過剰とかじゃない。強いて言うなら意地だ。勝てなきゃ理梨と結婚どころじゃなくなる。」


涼ちゃんがニヤリと笑った。

弱音とかでなく、それが涼ちゃんの本音なんだと理解をした。

ならば…。

我儘で偉そうと言われても構わない。


「負けたら許さないからね。」

「わかってる。絶対に負けたりしねぇよ。」


涼ちゃんが私の手を握る。

家の前でキスをしてくれる。

これが恋人の時間の終わりを告げるキス…。

涼ちゃんはファイターになって私から離れていた。


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