この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
エチュード
第1章 エチュード1
 明晰さを自負する弁護士の荻野遥実は、珍しく事務所を早退したある日の夕刻のこと、自宅の寝室でライターを落とした。マンションの7階に位置する荻野夫妻の寝室からは新宿の御苑を眺めることができたので、遥実はその窓際でタバコを吸うことが好きだった。特に妻の夏子を抱いたあと、ビルの点光に囲われた黒い空白を見ながらの一服は至高だった。四谷三丁目でOLをしている夏子は、まだ仕事から帰っていなかった。夏子は遥実より5つ年下で、今年27歳になった。落としたライターはダブルベットの下に滑り込んだ。遥実がしゃがみこみ、ベッド下に手を差し入れると、何かぐにゅっとしたものが手に触れた。使用済みのコンドームだった。
 それは遥実の知らないコンドームだった。普段はピンクかグリーンのゴムを夏子と使っているが、それは黒く、いくらか分厚い皮膜だった。時間が経っていたようで、液体が干からびた、灰色の粉が中には残っていた。
 明晰さを自負する遥実はすぐさま事態を理解した。夏子は自宅で他の男に抱かれていた。遥実は赤とピンクのモザイク模様のベットカバーの上に独り倒れこんだ。ベッドカバーを選んだのは夏子であり、微かに香水の、夏子の匂いがした。コンドームを処理し忘れるような男なのか。夏子はそんな男に抱かれているのか。自室でするのは私への当てつけか。でも大丈夫だ。私は明晰だ。受け入れよう。いつまででも不知を装うことだってできる。
 けれどもなす術なく、遥実は男中心的な幻想に絡め取られていく。最初に仕掛けたのはどちらだろうか。どんなキスをしただろうか。夏子も舌をグニグニと入れ返したのだろうか。男はどんなふうに夏子の柔らかい胸を揉みしだいただろうか。どうして、夏子はそんなふうに腰を、胸を男に擦りつけたのか。ブチュブチュとピンクの乳首を吸われながら、夏子は男のペニスを撫でしごいたのか。男のペニスは私のより大きかっただろうか。秘部から溢れる愛液を男はしゃぶっただろうか。その男の頭を両手で押さえつけながら、夏子は享楽の表情を見せただろうか。どうして、夏子は男のペニスを咥えながら、ヌルヌルになった自らの突起を摘み続けたのか。突き立てられた肉棒に、私の知らない悲鳴にも似た歓喜の声を上げたのか。後ろから激しく貫かれながら、なおも自ら爪を立てるように胸を揉み続けたのか。そんなに脚を広げて、自らもイク寸前、男の迸りを中に要求したのか。
/3ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ