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エチュード
第2章 エチュード2
 〈近代〉という言葉でイメージする時的感覚は人によって様々だろう。それは真新しさを表象すると感じる者もいるだろうし、黴びてしまっていて、古臭さを感じる者もいるはずである。荻野遥実は後者の人間であり、真新しさを表象するならば〈現代〉という言葉で使い分ける。そして今眼前に広がる光景を、遥実は近代的で古臭いものと捉え、多少萎えかけている。
 黒の紐ショーツと、目隠しにしたシルクのスカーフを除けば、妻の夏子は裸であり、手を後ろに組んだまま膝をついて前のめりに倒れ、白い尻を突き出している。遥実は後ろからその尻とショーツを眺めた後、ショーツを指先でずらすと、夏子の性器にピンクのバイブを挿入する。右の頬をフローリングに押し付けている夏子は声を漏らし、その口元の端が微かに照り光っているのが見える。
 これだけにしておけばよかったのだ。遥実はそう後悔する。けれども夏子の白い太腿の隙間から覗く乳房には、それぞれに洗濯バサミがぶら下がっている。洗濯バサミという語自体が古いのかもしれない。ともかくそれは一昔前の、ロマンポルノのような古臭い性戯に思われてしまう。
 遥実はまだ黒いコンドームのことを夏子に話してはいない。ただ、乳首にプラスチックの洗濯バサミをぶら下げるという、仕返しにもならない方法で−−現に夏子は洗濯バサミにひどく感じてしまっている−−、遥実は意思表示をした。私はお前の浮気に気づいているのだ、と。
 夏子が更なる快感を求めるように、腰をくねらせる。するとそれに合わせて夏子の乳房と洗濯バサミが揺れる。夏子がより腰を突き出すように背中をしならせると、右の乳首と洗濯バサミは床に押し付けられた。やがて夏子は、自らバイブを抜き挿すように腰を動かし、それでいて乳首と洗濯バサミのつなぎ目を床に押し当てるように、もぞもぞと動き始めた。遥実はモーター音を鳴らすバイブを手で支え、時折夏子の尻を叩いてやるだけの存在になった。
 所詮性の営みなど古代より続く古臭いものなのだと、遥実は思い至る。何千年も繰り返されてきた動作なのだと。その反復動作の輪廻に、遥実自身も当然絡め取られている。この後遥実がとる行動といえば、夏子の口に、そして性器に、自らのペニスを押し込み、腰を振るくらいなものである。
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