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夢の欠片(くすくす姫サイドストーリー)
第1章 前編

「当主様…」

二度目の逢瀬の機会までは、しばらくの時が掛かりました。
夫人には実家から伴ってきた腹心の侍女が居り、その侍女が連絡や調整などの細々とした仕事を請け負ってくれました。侍女は夫人の結婚生活が幸福なものでは無いことに大変心を痛め、夫に対して腹を立てておりました。
たまたま出席した宴席で夫人が男に三度目の邂逅を果たした時、男の素性を知って狼狽える夫人に、お開きになるまで待って会いに行くように勧めたのは、侍女でした。
嫁いでから数年経って憂い顔ばかりを見せるようになり、男と出逢った後は沈んで物思いにふける事が増えていた夫人が、男の屋敷で過ごした短い時間の後は娘時代のような朗らかさを見せる事が増えたのを、侍女は大層喜んでおりました。

「奥様のなさったことが悪い事だって言うんなら、旦那様がなさってる事は、悪く無いってんですかね?あんなに明るくお可愛らしかったお姫様が、嫁いだ後はみるみる萎れてしまわれて、笑わなくなって…私は、他のどなたでも無く、ずーっと奥様にお仕えしてるんですからね。奥様の幸せの為なら、どんなことだって致しますよ」

夫人をそう励ましてくれた侍女は、手助けが出来るのならばどんな事でもすると言って、発覚したら罪に問われる事も厭わずに協力してくれたのです。

首尾よく待ち合わせ場所で会った二人は、立ったまま抱き合って性急な口づけを交わし、見詰め合いました。
双方の目の中に欲を認め合った二人は、お互いを弄り合いながら、貪るように口づけ合いました。

「…奥様」
「今は、奥様って、呼ばないで…」
夫人は目を伏せて、男に願いました。これが裏切りであり罪であることは分かっていましたが、それでも今は自分が目の前の男だけの物であると思いたかったのです。

「では、私のことも、名前でお呼びください」
「ん…サ…っ…あ、…」
呼ぼうとした名は唇に飲み込まれ、一人の女になった夫人は、男の愛撫に身を委ねました。

「ああ、もうこんなに濡らしてくれているのですね…」
「そんなっ、事っ」
服を脱ぐ間も惜しくお互いを弄り合っていた男は、女が滴るほどに濡れている事にすぐ気付きました。
「こんなに待っていてくれたのですね…可愛い…」
「んっ…あっ…お願いです、もう…お約束、を…」
「約束?」
女に「約束」と言われて、男は首を捻りました。
女は喘ぎながら、男に重ねて懇願しました。
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