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夢の欠片(くすくす姫サイドストーリー)
第1章 前編
「どういう意味だ」
「本日のご来客様がそうだとは、申して居りません。ただ、貴方様は現在のこの家の当主、言わばこの家の顔でございます。軽率なお振る舞いは、なるべくお控え下さいますよう」
「クロウ…」
「お分かりになり易いように申せば、お戯れも度を越すと見過ごす事が出来なくなりますよ…という事で御座います」

表情も声の抑揚も全く変えずに淡々と重ねられる家令の言葉に、男の中には少しずつ怒りが溜まって行き、小さな爆発を起こしました。
(戯れだと!?そんなんだったら、こんな風に雁字搦めにゃなって無ぇだろ…!)

「お戯れって、何だよ」
「それは、ご自身の胸に聞いてご覧になって下さいませ」
そう言うと家令は何故か、玄関の扉に歩み寄りました。

「…先程の事を逆に申せば、私が否と言わずに貴方様に従っている限りは、家には不利益は無いと判断しているという事です。
…いらっしゃいませ。どうぞ、お入り下さい」
「こんにちは」
「っ!?」
家令に開かれた扉を潜って現れたのは、待ち焦がれていた姿でした。

「ありがとう。お邪魔致します」
「…あ…こんにちは、ようこそ、」
女は家令に軽く目礼し、男の方に向き直り、にっこり微笑んで挨拶しました。

「それでは、私は今からあちらで仕事ですので、何か御用が御座いましたら、お呼び下さい。それまでは下がらせて頂きます」
「…クッソ…っるせぇんだよ、馬鹿野郎…あ。」
立ち去った家令に向けて、男は思わず悪態を吐きました。そして、はっとして女の方を向きました。

「や…とんでもない所を…」
「お話中に、ごめんなさい。待ち切れなくて、少し早く着いてしまったの。…貴方、普段は、お口が悪いのね?」
女は可笑しそうに、くすくす笑っておりました。
男は決まりの悪さを感じ、女を部屋に案内しながら、悪戯を見つかった子どものような顔になりました。

「いや、すみません、誤魔化す積もりじゃ…初めは怖がらせない様にと思って、つい改める機会を逃して…」
「いいえ、謝らないで下さいな。でも、私にも、お身内の方にするみたいにお話してくださったら良いと思うわ!それに、今までも時々ちょっとだけ、そういう言葉遣いをなさってたのよ?お気付きじゃなかった?」
「え…」
「ご存知なかったのね」
女はふふっと笑いました。その表情がやけに艶めいて見えて、男はごくりと喉を鳴らしました。
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