この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
夢の欠片(くすくす姫サイドストーリー)
第1章 前編
「いや、礼など…お気になさらず」
「いいえ。本当に、大変なところを助けて頂いたのですもの。それも、二度も…何か、私にお礼として出来ることが、有ると良いのですけれど」
(おいおい…女が男に対して、自分に出来ることが有るか、だと?この前あんな目に遭ったばっかりだって言うのに、警戒心が無さ過ぎるんじゃねぇか?)
女性のあまりにも無防備な申し出に不安を覚えた男は、少し用心と言うものを教えてやろう、と少々悪戯心が沸きました。

「…では…貴女が私に今すぐ下さることの出来る報酬を、頂いても宜しいですか?」
「え?私が今、差し上げられる……んんっ!…」
男はきょとんとしている女性の手を引いて物陰に連れ込むと、頤を持ち上げて、つやつやした桃色の唇に、唇を重ねました。
花の香りがするような柔らかで甘い唇は、初めは固い蕾の様に、きゅっと閉じられておりました。しかし、触れれば触れるほど、男を誘うかのように、少しずつ開いて行きました。
「…ん…っ…ふ…」
微かに漏れる吐息と喘ぎが耳に入る度に、背筋をぞくぞくと欲が走ります。
口づけの間にすっかり体を預けて来た女性が戸惑う様に自分の体に回して来た手が愛おしく、口づけはますます深く執拗になりました。
このままだと口づけ以上のことをせずには居られなくなると感じた男は、一度身を離さなくては、と思いました。
いくらなんでも他人の家で事に及ぶわけにはいきません。それに、これ以上の事をするならば、相手がそれを望んでいるかどうかを確かめる必要もありました。

「…は…ぁ、ん…」
身を離して目に入った女性のすっかり上気した様子に、男は目を奪われました。
「…ああ…すげぇ、綺麗だ…」
そう呟くと引き寄せられるように、とろんと夢見るような表情を浮かべている女性の頬に口づけました。
すると、女性ははっと目が覚めたように顔色を変え、もたれていた腕の中から身を起こしました。
そして、眉を顰めて泣きそうな顔になり、唖然としている男に力いっぱい平手打ちを食らわせました。

「…ふざけないでっ…!」

男は、呆然と平手打ちされた頬を押さえながら、真っ赤になって涙を溜めた目で怒っている女性も大層美しい、と思いました。
頬の痛みも忘れるほど姿に見蕩れているうちに、女性はそこから脱兎のごとく走り去って、幻のようにどこかに消えてしまいました。
/58ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ