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湯上がり慕情 浴衣娘と中年ピンチ君
第4章 夏の夜
 奈々に気づかれないように、野上はあぐらをかいた。ちょっと疲れたのである。
 彼は、ブラシの裏を肉芽の近くに押し当てた。奈々は喘ぎ、バスタオルに指を食い込ませている。肉棒を咥えているかのように口を丸くあけ、あごを上げていた。

 柔らかな毛先で、野上は性器とアナルの境目をくすぐり始めた。
(やっぱりこの恥ずかしい境目が、奈々はいいんだな。大人の玩具を買っておけばよかった──)
 ブラシを当てるだけで、それまでの喘ぎ声を上回るほど、奈々はベッドの上で尻をくねらせた。
 肉びらに絡まっている濡れた陰毛も、ブラシを使えば簡単だった。野上はソフトタッチで両脇に寄せていく。
 太ももを抱えた両腕の間には、豊満な胸とスレンダーなウエストだった。「アァァ……」と頭を振る度に、乳首の尖る弾力感のある胸が揺れた。
(感度が良くて極上の体、弾けるような肌には艶がある)
 野上は、自分の裏筋にブラシを当ててみた。心地よい振動が伝わってくる。亀頭の縫い目に当てたとき、これなら大丈夫だと思った。
 ブラシが、低い振動音で彼女の肉芽に近づいてゆく。つんと触れたときである。衝撃が走ったように、「ンアッ」と寝室に響く声が上がり、びくんと下半身が反応した。

 ブラシを押し当てているだけで、喘ぎ声の質が変わり、奈々は尻をぶるぶる震わせ始めた。簡単に達してしまう体質らしい。
 ソフトタッチで焦らし続ける野上は楽しかった。
(奈々の頭の振り方も、これを使えば自在だな)
 彼が再び肉芽にブラシを押し当てたときである。
「あ、もうだめ…、もうだめ…、それなに?」
 胸の谷間の向こうから、顔を上げた奈々の虚ろな目、虚ろな声がした。
 野上は奈々と目が合った。長時間、セックスを行う自信がないからとは言えなかった。彼は電動歯ブラシを手に持ったまま、許されると思う最善の言い訳を考えた。
「いや、あのね、これはマシンなんだけど、バイブを買う時間がなかったんだよ。実験的に使ったんだけど、どうかな?」
(マシン? バイブ、実験?)
 ベッドに両手をついた奈々は、太ももを広げたまま、気だるげに体を起こした。野上を見つめる目は潤みきっていた。
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