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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第9章 学園のエキセントリックな女教師
 アニメなんかの理科室には、ホルマリン漬けの蛙だとか棚に陳列されていたりする。だがそんなものが普通の高校にある訳がない。
 当然この学校の理科室にもそんなものはないが、骨格標本や人体模型だけでも十分に雰囲気は出ていると思う。
 肝試しなんかやったら割と迫力そうな雰囲気。できれば夜に理科室は来たくなかったなぁと真吾はボヤいた。
 クラスの担任であり生物教師の澤井理沙《さわいりさ》先生は、豪胆で旁若無人な所のある変な人だが、夜のこんな場所に一人きりでいられる神経の太さが尋常じゃない。
 理沙は授業がない時間は殆どこの理科室に詰めている所為か、何か実験してそうだと生徒の間で囁かれていたりと兎角エキセントリックな噂の絶えない人だ。
 それを全く意に介さないのだから、澤井先生の胆力には感心させられる。

「こんな時刻に……ったく誰?」

 灯りの漏れている準備室のドアをノックすると、アニメ男性のイケメンボイスのような声が答えた。普段はキリッとしている声だが、今は少し気だるげだ。
 ドアを開けて中に入ると、椅子の背もたれにダラっと身を預けた理沙の姿。三十路とはいえ先生美人なのに……その姿に、終わってるなぁという嘆息にも似た感情に真吾は包まれた。

「何だ滝川に渡辺、まだいたのか。下校時間はとっくに過ぎているぞ」

 やや眠たそうな切れ長の眦がこちらの方を向いた拍子に、顎までの長さのワンレングスの黒髪がサラリと流れる。

「わかってます。ちょっと先生に見て貰いたいものがあって……」
「見て貰いたいもの……?つまらんものだったら減点するぞ」
「えぇ~……」

 ギロリと睨まれて、真吾は笑顔を引き攣らせた。
 背もたれから身を起すのもおっくうだという風に、頭だけをこちらに向ける理沙。組まれた腕に添えられた指をトントンとさせながら、眉間に薄っすらと皺を寄せる仕草は、不機嫌さ満載で生徒相手でも隠す気ゼロだ。

「私は一日の終わりで疲れてるんだ、さっさと出せ」
「はいぃっ!実はこれなんですけど……」

 不機嫌を露にする理沙の声色に、思わず返事が裏返ってしまう。
 真吾は取り付く島が無い強気なタイプの女性は苦手だ。用をさっさと済ませて退出したい心境に、真吾は既に駆られていた。
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