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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第13章 妹の様子がおかしいのだが
 自分もおかしいのはわかってるが、そうでは無く――美里のこの様子は、矢張りおかしくは無いだろうか。
 美里の今の状態が、あの時の彩夏に酷似しているように真吾には感じられた。
 彩夏はこう言ってなかっただろうか。状態としては身体がだるくて熱く、発汗も酷くなり――と。まさに美里の今の状態ではないのか?
 確か――僕には堕児《おとしご》を知覚できる力があると夢で言っていたよな。夢が真実なのか、これで判明するのではないか。
 真吾は美里の下腹部に手のひらを当てた。

「――――っ!?」

 湯気のようにもわっと……黒い靄のようなものが湧き立ち、真吾は目を瞠った。
 何だ……この靄みたいなものは。まるで失敗した料理の悪臭表現のように体内から湧き立つ黒い靄。滲み出るに黒い色が禍々しい。物語なんかでは確か、こういうの瘴気って言うんじゃ――。

「お兄……何かあった?」

 行動があまりに不審だからか、美里が訝しげに尋ねてくる。
 しかし難しそうな顔をしている真吾に、美里は首を捻った。

「うん……」

 すぐに答えてあげる事ができない……真吾はそれに生返事で答えた。
 恐らく、この黒い靄が堕児に巣食われている証拠……。
 美里の子宮は堕児に巣食われている為、きっと陰の気が強いのだ。自分の能力が黒い靄として、その陰の気を具現させているのではないだろうか。
 あの夢は真実……という事なのか。そうなると、夢で告げられた他の言葉も、現実だという事になる。
 そう――真吾が堕児を唯一、殺す事のできる能力者だという話だ。
 という事は、美里をこの手で……。
 堕児に寄生されていると知った以上、放っておく事はできなくなった。だが堕胎させるという事は、美里を犯すという事だ。
 さっきは衝動的に押し倒そうとした癖に、いざそれを迫られると躊躇する――だが衝動的にやらかすのと、差し迫られて襲うのでは大きく違う。
 迫られて襲うという事は、罪を理解した上で手を掛けるという意味だ。美里は真吾にとって躊躇を覚える人間の一人であり、迷うのが当然な存在なのだから。
 妹を相手にセックスか――流石に気が引ける……。

「美里はこの黒い湯気みたいなものは、視えてる?」
「うーん……何だろ、黒っぽいのが何か、視えるような……何なの?」

 ちゃんと視えてるのか本当に。
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