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竜を継ぐ者~黄の刻印の章~(世界はエッチと愛で救われる)
第16章 委員長は責任感が強すぎる
 真吾は困り果てたように、項の辺りを掻いた。
 彩夏から見つかった訳だから関係なくは無いが、アレとまた関係を結びたいか……?
 真吾は既に無関係ではないから関わるのも仕方ないが、わざわざ煩わしい事に首を突っ込みたがる彩夏が、真吾は不思議でならなかった。

「でもさ……気になるだけなら、僕から話を聞くだけでも良くない?」
「見てるだけなんて嫌よ。あれは学校で起こった事だもの、私には把握しておく責任があるわ」

 事件は現場で起こってるんだ!
 頭の中に、思わずこんな台詞が浮かんでしまった。調子を取り戻した彩夏は、普段通りのキリッとした表情で熱弁を振るう。
 どうやら彩夏は、言い出したら聞かないタイプの人間のようだった。

 ◇

 この学園には人気が極端に少ない場所が、幾つか存在する。
 特別教室ばかりの塔には、資料室だけが並ぶ階がある。
 とはいえ、資料とは名ばかりの紙束が納められてる教室だ。施錠はされておらず、誰でも利用が可能なので、逢引に使われる事もあるとか無いとか――。
 人がいると話しづらいからと、彩夏にここに連れて来られた。二人きりで密閉空間で会話など、正直に言うと困るのだが……。

「で、委員長の用件は何?」

 理科室にあるような大机に、真吾は腰を掛けた。彩夏も習うように、斜交いに腰掛ける。
 真吾は胸中、穏やかではなかった。
 手が触れ合うほどに近いのに、あまりに警戒心の薄い彩夏。とどのつまり、男として意識されていないという事だろう。
 ちょっとショックだ……。

「私……あの生物について、家に帰ってからも考えたの」
「自分の中から出てきて怖いなぁって?」
「そうじゃないわよ!」

 からかうような口調に、彩夏がムッとする。
 彩夏には悪いが、軽口でも叩かないと真吾はやってられないのだ。

「女性だけに寄生するんじゃないなかって……若しも予想通りなら、クラスの女子が心配なのよ」

 真面目すぎる彩夏に、真吾は驚いてしまった。
 イベントが~と、スマートフォンを弄ってた頃、彩夏がそんな事を考えていたなんて。

「若しそうだとして、君が責任を感じる事は無いんじゃない?」
「そうだけど……さっきも言ったでしょ、把握しておく必要があるって。私は委員長よ?最初が私であった事も、意味深いと思うの」
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