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身代わりの夜
第14章 熱愛目出し帽
(腰をくねらせる動きが、男を誘っているみたい)

 乳首や割れ目をいじられて、性感ばかり高まっていく。
 なのに山野辺は一向に肝心のものを与えてくれない。
 それどころか、意地悪く耳元で囁いてくる。

「隣は古森の部屋ですよ。わかってます?」

「ちょっと……こんなときにな、なにを」

「壁の向こうに古森がいるってことです。
 この鏡がマジックミラーだとしたら、どうします。
 あいつに課長の淫らな姿を見られているんですよ」

「ああ、そんな」

 本当に、鏡の向こうから、もうひとりの部下にのぞかれている気分になる。
 仔犬のような眼を思い出して、胸の奥がきゅんと疼いた。

 山野辺にされているより、もっと激しい羞恥と胸の高鳴り、そして罪悪感を覚えた。
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