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身代わりの夜
第3章 かんちがい口唇奉仕

 もうだめだ――
 と思った刹那、美貌の上司の口唇がすっと離れた。

 シャープな顎に垂れたよだれも拭わず、伏せ目で不安そうに尋ねてきた。

「どう、気持ちいい?」

「は、はひっ」

 声が裏返ってしまう。

「も、ものすごく、気持ちいいです」

 啓太の呻き声に、亜沙子は俯いたまま、はにかんだ笑みを浮かべた。

「……よかった」

 唇を尖らせて、先端にチュッと小鳥のようなキスをした。

 小さく舌を出して、ちろちろと鈴口を舐めてくる。
 最初の大胆な行為に比べて、おずおずとした動きだったが、啓太には充分すぎる愉悦である。

 憧れの上司が自分のペニスに舌を這わせる光景だけで、脳みそが沸騰しそうになる。

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