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第3章 雪泥鴻爪

　胸への愛撫が終わったかと思えば、首元に押し上げられていた服を脱がされ、息つく間もなく唇を塞がれた。
　その濃厚な口づけに夢中になっているうちに、履いているブルージーンズの前を開けられ、その荒々しい手つきに気づいたときには尻からずるりと抜き去られた。脱がされるジーンズとともにフットカバーも取れ、身体を隠すのは水色のレースショーツのみとなった。

　白い曲線美に射るような眼差しを落とす藤田。その口から色気のある深いため息を吐き出すと、自身が着ているセーターの襟刳りを掴んで一気に引き抜き、インナーとともに脱ぎ捨てた。程よく筋肉のついた上半身が露わになる。
　潤はそれを見つめ、薄くひらいた唇の間から熱い欲情の吐息を漏らす。湧き上がる切なさのままそっと両手を伸ばすと、それに応えるように藤田が覆いかぶさってきた。ふたたび深く重なる唇と、熱を帯びた素肌が吸いつき溶け合う。

「はっ……んん、んっ……」

　心地よい重力を受け入れながら、潤は太ももに硬いものが押しつけられていることを自覚する。そこだけが異様に熱い。