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滲む墨痕
第4章 一日千秋
正面に腰を下ろした誠二郎が、固く合わせた両膝を掴んでくる。
「いや、やっ……」
内側に働く脚の力と潤の弱々しい声を無視し、彼は強引に膝をひらかせた。すぐに膝裏から掬って押し上げ、M字の状態で脚を浮かすようにする。
「一人でしていたのか。こんなにびしょびしょにして」
その部分を上向きにした状態で固定し視姦しながら、誠二郎は卑猥な言葉を落とす。
「意外だったな。君がオナニーなんて……」
直接的な表現は、潤を恥辱の炎に放り投げた。かっと全身が熱くなり、その言葉の威力に押しつぶされそうになる。
「誰のことを考えながらしたの」
誠二郎の詰問は終わらない。泣きそうになりながら「やめて」と何度も首を左右に振っても、彼は顔色一つ変えずに冷気を降らせる。
「答えろよ。なあ」