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Eternal
第5章 :Reverie-夢想-

全く『ヒト』とは何かある度にこのような儀式めいたことをするのか――
口論となってそれが解決した後でこのようなものを出された俺の張りつめていた気持ちは一気に抜けたような感覚に陥る。
「まさか必勝飯とかあるなんて言うなよ?」
少しからかうつもりで言ったつもりだが、二つのそばの器を手にした彼女がウッと喉奥を鳴らす。それを聞いた俺はがくりと肩を落とした。
「あるのか……」
なぜか今日から一緒に暮らし始めるのだと感じさせないこの部屋の雰囲気。まるでもう長いことここで一緒に暮らしているような感覚。これで今回のような事件がなければ、きっと楽しみでワクワクした今夜だっただろう。
「後であいつを呼ぼう……」
と、俺がそう言うまでは――
「いや、それは止めておいた方がいい。あんたの友人もそれを聞いたら喜ぶどころか止めると思う」
引っ越しそばを食べている途中で彼の知り合いで友人の相手である男性がこの部屋に顔を出した。その顔はとても疲れている様子だった。最初に友人の様子を聞くと、まだ意識は戻っていない状態だそうだ。しかし脈拍などは安定しているらしく、後は目覚めるのを待つだけなのだという。
「犯人である主催者の顔は分からない。彼女のマンションのインターフォンのテレビに録画されていたはずなんだが、すぐに削除されたようだ。徹底的に証拠を消してやがる」
しかし私の携帯電話に犯人の音声が録音されていると伝えると、彼の知り合いはパッと目を輝かせた。音声だけでも犯人が特定できるのだと言う。だから聞かせてみると、最初は張り切っていた彼の知り合いはいきなり大きな溜め息を吐き出した。
「どうしたんですか?」
「これ、音声を変えてある……」
「えっ?」
彼の知り合いからそう言われて驚いたが、確かに再度よく聞いてみると、あの時の会話の時の主催者の音声と異なることが分かった。しかしそれは本当に微妙であり、流すように聞いていると音声を変えているなんて全く思わなかった。
「なかなか頭の切れる奴だよな。しかしこんな奴は『E地区』にはうじゃうじゃいてる」
彼の友人はそう言うと、再び大きな溜め息を吐き出した。
口論となってそれが解決した後でこのようなものを出された俺の張りつめていた気持ちは一気に抜けたような感覚に陥る。
「まさか必勝飯とかあるなんて言うなよ?」
少しからかうつもりで言ったつもりだが、二つのそばの器を手にした彼女がウッと喉奥を鳴らす。それを聞いた俺はがくりと肩を落とした。
「あるのか……」
なぜか今日から一緒に暮らし始めるのだと感じさせないこの部屋の雰囲気。まるでもう長いことここで一緒に暮らしているような感覚。これで今回のような事件がなければ、きっと楽しみでワクワクした今夜だっただろう。
「後であいつを呼ぼう……」
と、俺がそう言うまでは――
「いや、それは止めておいた方がいい。あんたの友人もそれを聞いたら喜ぶどころか止めると思う」
引っ越しそばを食べている途中で彼の知り合いで友人の相手である男性がこの部屋に顔を出した。その顔はとても疲れている様子だった。最初に友人の様子を聞くと、まだ意識は戻っていない状態だそうだ。しかし脈拍などは安定しているらしく、後は目覚めるのを待つだけなのだという。
「犯人である主催者の顔は分からない。彼女のマンションのインターフォンのテレビに録画されていたはずなんだが、すぐに削除されたようだ。徹底的に証拠を消してやがる」
しかし私の携帯電話に犯人の音声が録音されていると伝えると、彼の知り合いはパッと目を輝かせた。音声だけでも犯人が特定できるのだと言う。だから聞かせてみると、最初は張り切っていた彼の知り合いはいきなり大きな溜め息を吐き出した。
「どうしたんですか?」
「これ、音声を変えてある……」
「えっ?」
彼の知り合いからそう言われて驚いたが、確かに再度よく聞いてみると、あの時の会話の時の主催者の音声と異なることが分かった。しかしそれは本当に微妙であり、流すように聞いていると音声を変えているなんて全く思わなかった。
「なかなか頭の切れる奴だよな。しかしこんな奴は『E地区』にはうじゃうじゃいてる」
彼の友人はそう言うと、再び大きな溜め息を吐き出した。

