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Eternal
第2章 :Discomfort-違和感-

なぜなら、それまでの私たちのクラスでは笑い声という感情表現がどこを見渡しても存在していなかったのだから。
クラスメイトの男女がセックスをしたことはクラス内での秘密であった。その理由はこれも私たちの心の中に突然生み出された感情にあったから。
少し恥ずかしいかな?
セックスをしたクラスメイトの女子の話を少し聞いただけでもなぜだか頬が紅潮してしまう。もっと詳しく聞きたいと思うのと恥ずかしくて聞いていられないという矛盾した感情が全身を疼かせた。そしてこれもまた、感情の一部分なのだと思った。
思い出してみれば、私は大袈裟ではないが幼いころから少しずつ感情を出していた。母親と呼ばれる女性に抱き締められた時には、あの感触をもっと早くに知れば良かったと後悔もしたし、その前に彼らに初めて会った時には恐怖という感情も抱いた。
感情とは無自覚に抑えられずに外にでてしまうものなのだ。
細やかな発見をした後、私のクラスは本格的に受験戦争と呼ばれる時期に突入した。
朝から晩まで勉強漬けの日々。それでも私たちは必死にそれに立ち向かう。なぜなら、私もクラスメイトも皆、まだ目にしたことのない首都がどのようなところなのだろうかという興味が膨らんだからだ。首都に入る許可が下りたのならば一度は行ってみたいという興味もまた、私やクラスメイトの身体の中にある感情の一つなのだろう。
首都に入る許可が下りてもそれはほんの氷山の一角であることが教師の説明で分かった。
首都に入る前に五つの「関門」と呼ばれるゲートを無事に通過しなければならない。
一つ目のゲートは本人確認。これには何の書類も必要がないというのだから、どうやって本人確認をするのだろうかと不思議に思った。二つ目は持ち物検査。これは過去に何度か首都に凶器や不法薬物などを持ち込もうとした為である。そしてそこでもまた身体検査があるのだという。それが第三のゲートである。そして脳波の検査が第四のゲートで行われ、最後の第五のゲートでは、首都外の病原菌や埃などの異物を落とす為に全身と持ち込んだ物を完全に消毒するのだそうだ。つまり、首都内は完全に無菌状態ということになる。
クラスメイトの一人が呟いた。
「同じ島国内でどうしてそこまで……」
その呟きの言葉を脳裏に思い浮かべたのはそのクラスメイトだけではない。もちろん、私たちも、だ。
クラスメイトの男女がセックスをしたことはクラス内での秘密であった。その理由はこれも私たちの心の中に突然生み出された感情にあったから。
少し恥ずかしいかな?
セックスをしたクラスメイトの女子の話を少し聞いただけでもなぜだか頬が紅潮してしまう。もっと詳しく聞きたいと思うのと恥ずかしくて聞いていられないという矛盾した感情が全身を疼かせた。そしてこれもまた、感情の一部分なのだと思った。
思い出してみれば、私は大袈裟ではないが幼いころから少しずつ感情を出していた。母親と呼ばれる女性に抱き締められた時には、あの感触をもっと早くに知れば良かったと後悔もしたし、その前に彼らに初めて会った時には恐怖という感情も抱いた。
感情とは無自覚に抑えられずに外にでてしまうものなのだ。
細やかな発見をした後、私のクラスは本格的に受験戦争と呼ばれる時期に突入した。
朝から晩まで勉強漬けの日々。それでも私たちは必死にそれに立ち向かう。なぜなら、私もクラスメイトも皆、まだ目にしたことのない首都がどのようなところなのだろうかという興味が膨らんだからだ。首都に入る許可が下りたのならば一度は行ってみたいという興味もまた、私やクラスメイトの身体の中にある感情の一つなのだろう。
首都に入る許可が下りてもそれはほんの氷山の一角であることが教師の説明で分かった。
首都に入る前に五つの「関門」と呼ばれるゲートを無事に通過しなければならない。
一つ目のゲートは本人確認。これには何の書類も必要がないというのだから、どうやって本人確認をするのだろうかと不思議に思った。二つ目は持ち物検査。これは過去に何度か首都に凶器や不法薬物などを持ち込もうとした為である。そしてそこでもまた身体検査があるのだという。それが第三のゲートである。そして脳波の検査が第四のゲートで行われ、最後の第五のゲートでは、首都外の病原菌や埃などの異物を落とす為に全身と持ち込んだ物を完全に消毒するのだそうだ。つまり、首都内は完全に無菌状態ということになる。
クラスメイトの一人が呟いた。
「同じ島国内でどうしてそこまで……」
その呟きの言葉を脳裏に思い浮かべたのはそのクラスメイトだけではない。もちろん、私たちも、だ。

