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Eternal
第7章 Carnival-祭り-

「あの…… 水は買えませんでした」
ようやく言えたのはこの言葉。でも彼は全く返事をしてくれずに私の少し前を歩く。手をしっかりと握って、もう離しはしないとでもいうような力を込めながら。
「口の中は大丈夫ですか?」
次に出た言葉はこれ。それでも彼は答えてくれない。勝手な行動をしてしまった私に対する怒りがあるのだろう。あのような行動をしなければあの男性に会うこともなく、周りに迷惑をかけることもなかったのだから。
彼は私を見つけるとすぐに腕を掴み、警察機関に所属する友人の相手の男性に電話を掛けていた。向こうからは良かったとの一言が微かながらに聞こえた。
「あの、他の『ヒト』の女性は大丈夫なんですか?」
これも答えてくれないだろうと思いながら問いかけてみると、彼は背中越しに私に顔を向けてきた。
「あの男の標的は恐らくあんただけだ」
彼はその言葉を放つと私から視線を逸らす。そして、
「怖かったのなら怖かったと素直に言え」
彼の言葉通り、私はまだ恐怖を感じていた。その証拠に彼が握ってくれている私の手が小刻みな震えを起こしている。既に気づかれているというのに、私は強い女性を演じようとしていたようだ。その理由が何なのか彼は知っている?
彼の隣りに相応しい女性でありたいから、早く大人の女性として認められたいから、どのようなことがあっても自分の素を見せないように冷静だと思わせるような言葉ばかりを放っていた。けれども口から放たれる言葉とは裏腹に私の身体はとても正直で、それが彼に伝わってしまっていた。今更誤魔化すわけにもいかず、
「はい、怖かったです」
と素直に言わざるを得ない。するといきなり腕を強く引っ張られて、私は彼の腕の中にすっぽりと入り込んだ。
「素直になれないのは、俺がまだ信用できないからか?」
違う―― そうじゃない―― これは私のただの強がりだ。でも言葉には出せなくて、ただただ頭を左右に激しく振る。と、私の髪の毛が彼の服で擦れてシャラシャラと乾いた音を立てた。今日の彼は革ジャンを身に纏っている。それはこの暖かな気候の中でも私の頬を微かに冷やした。
「演じてしまうんです。子どもっぽく見られたくなくて……」
ようやく言えたのはこの言葉。でも彼は全く返事をしてくれずに私の少し前を歩く。手をしっかりと握って、もう離しはしないとでもいうような力を込めながら。
「口の中は大丈夫ですか?」
次に出た言葉はこれ。それでも彼は答えてくれない。勝手な行動をしてしまった私に対する怒りがあるのだろう。あのような行動をしなければあの男性に会うこともなく、周りに迷惑をかけることもなかったのだから。
彼は私を見つけるとすぐに腕を掴み、警察機関に所属する友人の相手の男性に電話を掛けていた。向こうからは良かったとの一言が微かながらに聞こえた。
「あの、他の『ヒト』の女性は大丈夫なんですか?」
これも答えてくれないだろうと思いながら問いかけてみると、彼は背中越しに私に顔を向けてきた。
「あの男の標的は恐らくあんただけだ」
彼はその言葉を放つと私から視線を逸らす。そして、
「怖かったのなら怖かったと素直に言え」
彼の言葉通り、私はまだ恐怖を感じていた。その証拠に彼が握ってくれている私の手が小刻みな震えを起こしている。既に気づかれているというのに、私は強い女性を演じようとしていたようだ。その理由が何なのか彼は知っている?
彼の隣りに相応しい女性でありたいから、早く大人の女性として認められたいから、どのようなことがあっても自分の素を見せないように冷静だと思わせるような言葉ばかりを放っていた。けれども口から放たれる言葉とは裏腹に私の身体はとても正直で、それが彼に伝わってしまっていた。今更誤魔化すわけにもいかず、
「はい、怖かったです」
と素直に言わざるを得ない。するといきなり腕を強く引っ張られて、私は彼の腕の中にすっぽりと入り込んだ。
「素直になれないのは、俺がまだ信用できないからか?」
違う―― そうじゃない―― これは私のただの強がりだ。でも言葉には出せなくて、ただただ頭を左右に激しく振る。と、私の髪の毛が彼の服で擦れてシャラシャラと乾いた音を立てた。今日の彼は革ジャンを身に纏っている。それはこの暖かな気候の中でも私の頬を微かに冷やした。
「演じてしまうんです。子どもっぽく見られたくなくて……」

