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Eternal
第4章 :jealousy-嫉妬-
 彼は自分の太腿に肘をつけると、軽く握った手の甲で顎を支える形を作り上げる。それがまた一つの絵になって美しい。少し上がった日の光はまだ部屋の中に輝きを放ってくれていて、それが彼の上半身を照らすものだから、何だろう―― 彼と彼の周りの明暗がとても幻想的だ―― なんて、見惚れている場合ではない。というか、何でこんなに必死なんだろう、私……
「だ、だから、あの『モノ』には体温っていうものがないのを感じたんですよ」
「ロボットだからな、体温なんてあるわけがない」
「そ、それを確認したくって……」
「『ヒト』は相手の体温の確認をする為にキスをするのか?」
「手とか口元から吐き出される息に白さがないなぁ、と不思議に思っていたんです。でも目で見るだけでは事実なのか分からないでしょう? だから行動に出たんです!」
「まあ、過去からあることわざに百聞は一見に如かずという言葉がある。つまりあんたは、百見は一行動に如かずと考えたんだな?」
 聞き慣れないことわざに私は首を傾げる。
「そんなことわざなんてありましたっけ?」
「いや、今俺が考えた」
 彼の即座に放たれる応えに質問、笑えばいいのか駄目なのか理解し難い例え話にと、私の頭の中もセックス専用ロボットと同じくショートしそうだ。このような痴話な会話の前に私が彼の頬を叩いてしまったことも影響しているのか、彼の視線、言葉、態度はかなり交戦的だ。その後、
「なぜ頬を叩いた?」
 なんて問われても私は答えられない。なぜなら、この行動は自然に出てしまったものだから。理由はあっても答えられない時があるし、答えたくない時もある。だから私は唇を強く引き結んだ。
「理由を話せ」
 絶対に言えないと、私は更に唇を引き結ぶ。
 そのように頑なになる私の隣に座っていた彼は手を伸ばし、人差し指を私の顎に添えて固定した後に親指腹で私の唇をなぞる。その仕草が見えているわけではないのに、すぐ目の前に彼の整った顔があるだけで何か魔法をかけられたような気がして、その親指はまるで私の閉じている唇をいとも簡単に開けてしまう鍵のようで、親指が触れた箇所から少しずつ緩みが生じ始める。
「これだけでも体温を感じることができる」
 彼のハスキーな声音が私の内耳を震わせる。これから『ヒト』の感情を身につけていこうとする者のするような仕草ではない。
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