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保健体育の授業
第5章 特別な夕食



一口、料理を口にした広大が



『んまい!

めちゃくちゃうまい、先生!』



とびきりの笑顔で口をモグモグしながら

一生懸命に喋る広大。


反対に黙々と目の前にあるオムライスを

一口、二口、と口に運ぶ李久。





グスン…





李久が鼻をすする。


よく見ると涙が頬を伝っていた。




『李久…どうしたの?

おいしくなかった?』





そう聞くとブンブンと首をふり




『こんなうまいの食ったの…

初めてで…俺……』




『李久……こんな私の手料理くらいで

そんなに泣かないで?

これからいくらでも作るよ。』






そう言って李久をなだめ

そっと後ろから抱き締めた。




『あったかいうちに食べて?』




『李久。泣くなよ。食おうぜ。』




コクりとうなずき子供のように

袖でグイっと涙を拭くと

ずっとうつむいていた李久は

顔を上げて笑顔で食べ始めた。






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