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第2章 １【理佳 side】

僕は、幼い頃から初対面の他人には必ず『まあ、なんて可愛らしいお嬢さん』と言われていた。

名前は『理佳』と書いて『マサヨシ』という立派な男名だが、同じ字面で『リカ』と読む女子の方が圧倒的多数であり、男子の制服を着ていてもなお名札と顔で女子と間違われたりする。

学校では男女共に『綺麗すぎて近寄り難い』と言われ、イジメられはしないが親しい友人も特にできなかった。

そんな僕に転機が訪れたのは高２の二学期だった。