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お披露目の会の余興の話(くすくす姫後日談その5のおまけ)
第1章 お披露目の会の余興の話
「お友達だなんて、滅相も御座いません。使用人の端くれとでも思って頂ければ十分で御座います」
「使用人なんかじゃ無いわ!だってビスカスさんは、立派な先…」
スグリ姫は「先生」と言おうとして、はっとしました。姫にとってビスカスは「お友達」でも有りますが、「しもねた」の師匠でも有りました。しかし、「しもねた」を教えて貰う条件として、最初にビスカスと「誰に聞いたかは口外しない」という約束を交わしていたのです。
もっとも、ビスカスがそれを知られたくなかった人々には、すぐにその事はバレたのですが。
「…ん?立派な『せん』?」
「立派な、せん…せんっ…」
姫が「先生」と言いかけた言葉尻をサクナがわざとらしく指摘したので、姫は言葉に詰まりました。
姫がぐるぐる考えているらしい様子を見て、サクナは非常に楽しそうな顔になりました。バンシルはそれを白い目で見て溜息を吐き、淡々と口を開きました。

「…立派な洗練された紳士に見えますね、今日は」
「そう!それ!それよ!だから、ビスカスさんは、私にとっては使用人なんかじゃ無くってよ!」
姫はバンシルの助け船に、思いっ切り満面の笑みで乗っかりました。楽しみを奪われたサクナはバンシルを睨み付け、バンシルはそ知らぬ振りを決め込みました。
当のビスカスは決まり悪そうに、ローゼルは冷ややかに、タンム卿は面白そうにそのやり取りを眺めておりましたが、笑いを堪えていたタンム卿が、ふと気がついた様に口を開きました。
「そう言えば『立派な洗練された紳士のお友達』は、そろそろ余興のお手伝いの時間かな?」

タンム卿に言われて、ビスカスは困った様に眉を寄せつつにやっと笑い、スグリ姫の頭の中は疑問符で埋め尽くされました。

「…余興?」
「あー。ここらじゃ婚約とか結婚の時にやる、お決まりの余興が有んだよ」
「え!なあに、それ?私、聞いてないわよね?」
「ああ、聞かせて無ぇぞ。ここらの人間ならガキの頃から見慣れてる様なもんだが、お前はそうじゃ無ぇからな。主役が無理にやんなきゃいけねえもんでも無えし」
「ねえ。余興って、なあに?」
「踊りだ」
「え、ダンスっ!?」
目を丸くした姫を見て、サクナは笑って姫の頭を撫でました。

「いや。ダンスって程の物じゃ無えよ。さっきのお前の言葉で言やあ『洗練』たぁ程遠い代物だな」
サクナはそう言うと、姫とバンシルを見てにやりと笑いました。
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