この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
お披露目の会の余興の話(くすくす姫後日談その5のおまけ)
第1章 お披露目の会の余興の話
「うーーわぁーー…」
「奥様。口が開いてますよ」
余興…の前振りが、始まりました。
近くで見ている地元の人はタンム卿だけだったので、タンム卿は姫とバンシルに、色々説明してくれました。

事前に教えてくれたのは、踊りは男女が組んで行われること、踊りに入る前に前振りが有ること、その前振りをビスカスがやる筈だと言うことでした。
その前振りが始まってすぐ、スグリ姫の口は半開きになりました。と言うか、実のところ前振りの前、ビスカスがどこへともなくお辞儀をして口を開いた所から、姫の口は半開きになっていたのです。

「うっわあー…ビスカスさん、歌うっまーい…」
「奥様。もう少し上品に」
余興の前振りは、歌でした。今では使われない、この土地の古い言葉の詩らしく、姫とバンシルにはよく意味が分かりませんでしたが、驚くほど良い声、部屋の隅々まで届きそうな声量と表現力で、恐ろしく上手い事だけは分かりました。

「…とは言え、確かに、うっまーい、ですわね…」
「でしょ?上手!とかじゃないでしょ?」
歌は楽器の伴奏等はなく、手拍子のリズムと声だけの単純な物でした。実はこの地の歌は、単純なだけに力量がはっきり表れるのですが、二人にはまだその事は分かっていませんでした。

「喋る声と歌う声は、違うのねえ……あ」
「あ。」

歌の前振りが終わったのか、サクナとローゼルが、ビスカスの前に出て来ました。そして、調子が変わったビスカスの歌に合わせて、踊り始めました。
それを見た姫とバンシルは、先程とは違う意味で、ぽかんと口を開けました。

「…う……うっ…」
「これは…何と言うか……凄い、ですね……」
「二人共、なかなか上手いでしょう?その上、ビスカスの歌ですからね。見応えが有りますよ」
タンム卿が手拍子をしながらにこやかに話し掛けて来た様に、ビスカスの歌同様、踊るサクナもローゼルも、何も知らない素人の二人の目にも分かるほど、大変上手でした。
それはそれは、上手でした……
…上手では、有ったのですが。
/15ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ