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その匂い買います
第1章 その匂い買います
「匂いますね」
 中塚がそう言うと、
「恥ずかしい」
 と、翔子は照れてみせた。
「足の匂いを嗅がれた感想を、聞かせて下さい」
「うーん。なんて答えれば良いのでしょうか。わかりません」
 翔子は、とうとうと言った。そして、立て続けに言う。
「そう言えば、あの掲示板の内容、けっこう凄かったですよね」
 すると中塚は、
「どの辺が凄いと感じたのでしょうか」
 と、逆に質問を返した。
「足の匂いにお困りの貴女。その匂い買わせて頂きます、って。普通、ありえない文面よね。女性に対して足の匂いを嗅がせて下さいって、意外と嫌がる人の方が多いと思うわよ」
 翔子の発言に、匂いを嗅ぐ中塚の動作が止まった。
「それって、本当ですか? 足の匂いを嗅がれるのが、嫌な人が多いというのは」
「たぶんね。女性からしてみたら、匂いを嗅がれるというのは、嫌なものよ。特に匂いがすればね」
 意外な返答が返って来た事に、中塚は少々戸惑っていた。右足の親指と人差し指を両手で開いて、その狭間に鼻先を押し当てた。中塚は舐め回すように、匂いを嗅ぎまわる。匂いを嗅ぐ理由は、漠然とだが理解をしていた。ひとつは、匂いを嗅ぐと頭の中がスッキリする事である。つまり、ストレスの発散作用があるという事だった。だがしかし、なぜ匂いを嗅ぎ始め、そしてなぜ匂いを嗅ぐのか、その行為に及ぶまでの過程が、理解できずにいた。ただ、中塚は生まれつき、嗅覚が鋭いという事もあり、そのことが起因しての事だろうと安直に考えていた。
 翔子の匂いは、中塚の目覚めぬ快楽を満足させるものではなかった。その為か早目に切り上げる。
「足の裏の匂い、お好きなのですか? 」
「ええ。足の匂いを嗅ぐと、頭の中がすっきりするので、ありがとう、ございました」
 翔子にお礼を言った。
「いいえ、どういたしまして。私の足の匂いでよろしいのでしたら、いつでも嗅いでくださいね」
「ええ、また、機会があればよろしくお願いいたします」
 翔子はパンプスを履き、バッグを肩にかけて帰り支度をする。中塚は、
「先にどうぞ」
翔子を先に部屋から出した。
「それでは、また」
 と、翔子は言い残し、ホテルを後にした。翔子がホテルを後にしてから、約5分ほどソファーに座り、しばらく余韻に浸っていた。 
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