この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
その匂い買います
第1章 その匂い買います
 ホテルに到着し。ふたりはソファーに腰を下した。そして中塚は長四形の茶封筒を、翔子に手渡した。翔子はそれを受け取り中身を確認し、黒いハンドバッグの中にそれをしまった。
「匂いはしますか? 」
「えっ、あっはい。私、普段からパンプスなので、お恥ずかしい限りですが、匂いはすると思います」
「ありがとうございます。その匂い嗅がせてもらいます」
「どうぞ、ご自由に」
 翔子はメガネを外して、目の前のテーブルの上に、がさつに置いた。この時に中塚は確信した。
「この人は普段、メガネをかけていない」
 普段メガネをかけていれば、こんながさつには、扱わない。中塚は翔子に尋ねた。
「普段はメガネをかけているのですか? 」
 翔子は一度、驚いたような表情を見せた。
「いえ、普段は裸眼ですよ。あなたとあう為に、かけて来ただけです」
「なぜ、そんな事を? 」
「私は人妻ですから、知り合いなどに見られたら、大変な事になりますので、カムフラージュの為です」
 メガネを外した祥子は、どことなくリスのような顔立ちで合った。
 中塚はソファーの前で突っ立ったまま動かない。いや、動けなかった。
「どうなさいましたか? 」
 翔子は不思議そうな顔で中塚を見上げた。
 直立不動の姿勢で、正面を正視したまま動かない中塚。
 翔子の全身から香る、女性らしいその匂いは、中塚の鼻孔に直線的に入り込み、それは脳天まで達し中塚の頭の中を混乱させていた。
 だが中塚の表情は変わらなかった。
 翔子は中塚の無表情の顔に、いくぶん恐怖心に似た感情をもった。
 なぜ、この人は無表情なのだろう、翔子はそんなことを考えていた。
 中塚の無表情の顔は、さらに無表情になって行く。
 しばしの間静寂があった。
 翔子はテーブルの上に両足を投げだした。
「どうぞ」
 中塚はテーブルの前に両膝をついて座り、パンプスを脱がせて、素足の匂いを嗅ぐ。両方の足の裏に、顔を埋めると、足の蒸れた匂いと、汗ばんだ皮膚、体温の温かい感触が中塚の理性を破壊した。
 そして、吸盤のように張り付く足の裏を、ゆっくりと離した。
 そして再び、鼻先を足の裏に押し当てて、匂いを嗅ぐ。
/19ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ